アライグマの被害を防ぐためにできること

動物の檻

北米原産のアライグマが日本で野生繁殖するようになったのは、今から半世紀以上が前だと言われています。

当初ペットや毛皮動物として輸入され、その後野生化したアライグマは農作物を食い荒らすなど、多くの経済被害をもたらしています。

さらに家屋に浸入し、屋根や壁を汚損するなど、一般家庭もその被害の対象となっているのです。

アライグマの侵入を防ぐためにできること

環境適応能力が高く、行動範囲も立体的

元来森林に生息するアライグマですが、湿地や海岸、さらに都市部でもそこの環境に適応することができ、人間の生活範囲にも侵入してくることがあります。

また手先が器用で木登りなども得意なことから、簡単な障害物は回避してしまいます。

アライグマが住宅や人間の生活環境にもたらす被害を防ぐためには、それ相応の防御対策が必要になるのです。

さまざまな侵入対策1 電気柵

侵入対策の代表例は、物理的遮蔽物を使用することです。しかし、通常のネットやワイヤーなどの柵を設けることだけでは、アライグマに対しての効果を期待することはできないでしょう。

手先の器用なアライグマは木登りも得意であり、多くの障害物を上って乗り越えてしまうからです。

電気柵は電線を周囲に張り巡らせることにより、アライグマが接触した際に電気ショックを与えることができます。殺傷効果はありませんが、一度電気ショックを受けたアライグマの多くが、その柵を忌避するようになります。

アライグマの学習能力の高さを利用した防護対策ですが、地面を掘って侵入されるケースがあることや、設置後の点検と維持管理に手間と費用がかかります。

さまざまな侵入対策2 罠による捕獲

箱わなは、アライグマを捕獲することで侵入を防御抑制することができる対策です。

仲間が箱わなで捕獲されると、それを察知したアライグマは捕獲された場所の周辺に近寄りにくくなります。また、個体数そのものを減らすことができるので、忌避効果とともに防御対策という意味でより根本的な解決方法と言えます。

ただし注意しなければならないのは、箱わな対策を行う場合、周辺地域の協力が必要となることです。

単発で箱わなを仕掛けても、アライグマは付近の他のエリアへ向かってしまうため、集団での対応が求められるといえるでしょう。

アライグマの危険性と諸問題 その対応

感染症というリスクを考える

野生化したアライグマの問題のひとつが、人畜共通感染症のキャリア動物であるということです。

狂犬病は致死率が非常に高い感染症であり、ワクチン接種を受けずに発病すれば、ほぼ確実に死に至ると言われています。

野犬同様、アライグマもまた、この狂犬病のキャリア動物であるという点は注意すべきでしょう。

また、現在日本では野生のアライグマからからの感染例が確認されていませんが、アライグマ回虫による感染は、やはり即死亡のリスクがあるため看過できない要素であると言えるでしょう。

【アライグマの感染症に関する参考サイト】
アライグマ回虫による幼虫移行症とは – 厚生労働省-戸山研究庁舎
アライグマ回虫症について – 埼玉県

アライグマのもたらす感染症への対策を考える

いかなるケースであっても、アライグマを扱う場合手袋を着用すべきであり、肌の露出は極力控えるべきであると考えられます。

アライグマが人間を好んで襲うという事例は報告されていませんが、成獣は気象が荒く、突発的な遭遇時において攻撃を受ける可能性は十分にあるのです。

また、捕獲や防護対策の結果として殺傷されたアライグマに対しも、その死骸はもちろんのこと、排泄物や血液に対しては細心の注意を払うべきでしょう。

汚染された周囲環境や土壌、さらには衣服についても徹底的な消毒が求められるということです。

アライグマに遭遇、発見した場合の対応方法

旅行者や一般人が野生のアライグマに遭遇、発見した場合、捕獲を試みるべきではありません。

もっとも妥当な対応は、やはり専門家に一任することでしょう。自治体に連絡し、いつどこで遭遇したかを報告するだけでも、有害駆除や捕獲を行うための情報として大いに役立つのです。

ただし、一般人にはタヌキとの見分けがつきにくく、特徴である尻尾の縞模様が確認できればまちがいないといった感じになります。

※アライグマの駆除や対処に関して、管理人のよしぼうオススメの記事をご紹介します。
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法律上の扱いと問題点とは

外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)によってアライグマが特定外来生物に指定されたのは、 2005年になってからです。

つまりそれまでの間、学術研究などをのぞくアライグマの飼育や譲渡、輸入、販売などが禁止されていなかったわけです。

当初これほど深刻な経済被害や生態系に対するダメージをもたらすとは、だれも想像していなかったわけですが、対応の遅れが、よりアライグマ問題を深刻化させてしまったのは間違いないでしょう。