野生化したアライグマの被害とは

Pocket

畑

野生化したアライグマによる被害が、近年大きな問題となってきました。

特定外来生物に指定されていることからもわかるように、アライグマのよる環境への悪影響の規模は非常に大きいと言えるでしょう。

ここではその影響の具体例をみていきましょう。

野生化したアライグマによる主な被害例 〜経済被害

農作物被害 〜雑食性であることが、さらなる悪影響を及ぼす結果に

アライグマは雑食性であり、人間の食べるものであれば何でも食べると言われるほどです。

具体例としてはトウモロコシ、ジャガイモなどの穀類から、リンゴ、メロン、スイカなどの果物や野菜をはじめ、魚や肉など、あらゆる食物を食べます。

一見すると食べにくいトウモロコシはキレイに皮をむき、スイカやメロンなどは皮をくり抜いて中身だけを食べるといった特徴があります。

これはアライグマの手先が器用であることに起因しており、日本における2009年の農業経済被害が3億円近くに上っていることからも、事態が深刻であると言えるでしょう。

もちろん、農業や畜産業ばかりでなく、一般の家庭菜園を荒らすこともあります。

歴史的建造物や文化財に関する被害 〜移動能力が高く、容易に侵入してくる

アライグマは木登りが得意であり、手先の器用さも相まって、鉄柵などを簡単によじ登ってしまいます。

また、穴を掘って軒下に侵入したり、屋根裏を棲み処とするケースもみられ、糞尿による汚損被害が深刻な問題となっています。

実例では鎌倉市内の神社や仏閣が、野生化したアライグマに侵入され、壁を壊されたり糞尿による汚損の被害を受けています。

外来種問題 〜生態系への深刻な被害と感染症のリスク

既存生物と生態系が受ける被害とは

野生化したアライグマの被害において、もっとも憂慮されるもののひとつが既存の生態系への悪影響です。

さまざまな動植物を捕食する雑食性のため、アライグマ一種によって脅威にさらされている希少種は複数存在します。

例えば北海道のある自然公園では、毎年アオサギがコロニーを形成し、営巣を行っていました。

しかし、ある時期にそのコロニー付近にアライグマが侵入したことから、アオサギが営巣をあきらめ、コロニーを放棄するという事態が発生してしまったのです。

多くの希少種が捕食対象となる

アライグマの捕食対象となった希少種の例は、エゾアカガエル、アズマヒキガエル、サンショウウオをはじめとする両生類や、二ホンイシガメなどの爬虫類です。

また捕食しないまでも猫や犬を追い回したり、人間の子ども襲い掛かった事例もあるため、今後どのような被害が出るのか、予想がつかない状況なのです。

感染症リスクの増大が大問題

狂犬病やアライグマ回虫は、野生化したアライグマの問題のなかでもリスクが高く、深刻な事柄です。

特にアライグマ回虫も狂犬病も致死率が非常に高く、一度発症してしまえば助かる見込みが非常に低くなります。

人から人への感染がないため、爆発的な感染拡大はありませんが、それでも非常に危惧される問題であると言えるでしょう。

遭遇時の対応について

役所などに連絡をする

実際に野生化したアライグマに遭遇してしまった場合はどうでしょう。

まず、それがアライグマだと明確に判断できたとしても、やはり捕獲作業などは専門の業者に依頼すべきであるといえます。

感染症のリスクやケガなど、野生のアライグマには危険な要素が多いからです。

相手を刺激しないよう、その場をそっと離れてから、落ち着いて連絡をしましょう。

防除手段の徹底 消毒を忘れずに

仮になんらかの理由で野生のアライグマに触れることになった場合、例えばそれが死骸であったとしても、決して油断してはいけません。

野生のアライグマの糞尿や血液には、感染症のリスクがひそんでいるからです。

どうしても触れなければならないのであれば、必ずマスクと手袋をして、肌の露出は極力控えるようにしましょう。

また、処理が終わった後も、その周囲の消毒を徹底し、使用した手袋などは焼却処分にしましょう。

まとめ

野生化したアライグマによる経済被害や感染症リスクの拡大は、近年大きな話題となってきました。

しかし、こうした危険はなにもアライグマだけに限ったことではありません。

テレビアニメに登場してブームを起こしたときと同様、危険についても一過性で終わらせることなく、継続的な対応をとって行く必要があるのです。

その他のアライグマの被害記事はこちら → アライグマの被害を防ぐためにできること

Pocket